【医師監修】妊娠線・肉割れクリームやオイルの効果はある？おすすめの治療法や予防法を解説

2025年11月22日2025年11月25日

「妊娠線クリームやオイルを毎日塗れば防げるはず」

「高い妊娠線・肉割れオイルならできてしまった線も消えるのでは？」

上記のように信じてケアを続けた結果、結局妊娠線や肉割れができてしまった経験はありませんか？

実は、科学的な研究によると、妊娠線・肉割れに対するクリームやオイルの予防効果は限定的で、治療効果はほぼないことが明らかになっています。

では、妊娠線・肉割れを改善するためには、どのような治療法や予防法があるのでしょうか。

そこで本記事では、医師監修のもと、その科学的根拠と本当に効果がある治療法や予防法をわかりやすく解説します。

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【記事読むメリット】

本記事で分かること

妊娠線・肉割れクリームに効果がない理由
代表的な成分と科学的エビデンス
日本国内の研究結果
なぜ「予防も治療も難しい」のか
医師が推奨する効果的な治療法
最新の治療「ゼロマーク」の特長

妊娠線・肉割れクリーム・オイルは本当に効果があるのか？

妊娠線・肉割れクリーム・オイルは本当に効果があるのか、と疑問に感じている方は多いです。また、「毎日塗っていれば大丈夫」と感じている方も多くいますが、実際には誤解です。

妊娠線・肉割れは肌の真皮層（肌の奥）が裂けることで生じる皮膚構造の変化の1つであるため、表皮（皮膚の表面）までしか届かないクリームや美容液では、十分に効果を得ることができません。

さらに、一度損傷してしまった真皮は、自然治癒やセルフケアなどでは十分に改善することが難しいため、クリームやオイルを塗り続けても効果を得られないでしょう。そのため、妊娠線・肉割れクリームやオイルを使用している方や使用しようと考えている方は、妊娠線・肉割れの改善が難しいことを考慮しておくことが大切です。

では、実際の研究ではどのような結論が出ているのでしょうか？

科学的エビデンスで明らかになった妊娠線・肉割れクリームに関する真実

妊娠線・肉割れクリームを塗り続けることで、「もしかしたら効くのでは？」と期待を持つ方も多いですが、最高レベルの研究は以下の結果を示しています。

Cochraneレビュー（2012, Brennanら）※800名の妊婦を対象とした6件の試験を分析

結果：外用剤とプラセボに有意差なし（RR 0.74, 95%CI 0.53-1.03）

結論：「妊娠線を予防する外用剤の有効性は支持されない」

つまり「どのクリームも決定的に効く」という証拠は存在しないのです。

どれだけ評判が高く知名度のあるクリームであっても、科学的にはほとんど効力がないことが分かります。それどころか無駄に出費がかかってしまうため、あまりプラスの効果はありません。

ただ、表皮の乾燥や肌荒れを改善し、保湿してくれる作用は期待できるため、保湿や肌荒れ対策としてクリームを用いることはおすすめです。

妊娠線・肉割れクリームの成分ごとの研究結果と限界

妊娠線・肉割れの予防のためにクリームを選んでいる方の中には、「この成分なら効くかも？」と期待した人がいることでしょう。

そこで、ここでは妊娠線・肉割れクリームに含まれている成分ごとの研究結果とその限界を解説します。

センテラ・アジアチカ（ツボクサ）
一部の研究で「妊娠線発症率が減少」した結果あり
例：Mallolらの試験 → 34% vs 56%
例：Garcia Hernandezら → 6% vs 35%
しかし：他成分と混合、研究規模が小さく再現性に乏しい

ココアバター・オリーブオイル
複数研究で効果なし

ヒアルロン酸
弱いエビデンスのみ

苦味アーモンドオイル
マッサージ併用で限定的効果の可能性

部分的な可能性はあるものの「万人に効く」というレベルには遠いのです。

成分ごとの研究結果では、各成分ごとにあまり大きな効果を期待できる結果を得ることはできていません。特に、ココアバター・オリーブオイルに至っては複数研究で効果なしと判断されています。

そのため、これから妊娠線・肉割れクリームを成分で選ぼうと考えている方は、上記で紹介した研究の内容を考慮しておくことが大切です。

日本国内の研究が示したこと

これまで、研究結果を見てきた方の中には、「日本人女性ではどうなの？」という疑問を感じた方がいることでしょう。

そこで、日本人女性を対象に実施した研究結果も解説します。

日本の研究（科研費研究）では、クリーム群 vs 化粧水群 → 発症率に差なし

保湿効果は確認（角質層水分量は上昇）したが、妊娠線の予防効果はなし

つまり「肌のうるおいは増えるけど、線は防げない」というのが現実です。

妊娠線・肉割れクリームを塗ることで、肌表面（表皮）のうるおいを補うことはできても、肌の奥（真皮）にまでその効果を行き渡らせることはできません。そのため、日本人女性が妊娠線・肉割れクリームを塗った場合でも、ほとんど効果を得られないことは分かります。

なぜ妊娠線・肉割れクリーム・オイルは効かないのか？

妊娠線・肉割れクリームやオイルを使用しようと考えている方の中には、「高級クリームでも効かないのはなぜ？」という疑問を持っている方がいます。

そこで、ここでは「なぜクリームやオイルは効かないのか？」を解説します。

まず、肌には浸透の壁があり、表皮から真皮層まで有効成分が届かないため、肌表面にどれだけ高級なクリームやオイルを塗っても、奥まで届いてくれません。また、クリームやオイルの主な役割は保湿や表面のケアですが、妊娠線・肉割れは真皮の断裂によるものなため、作用が大きく違います。

他にも、ホルモンや遺伝による繊維の弱体化は外用剤では防ぐことが不可能です。そのため、妊娠線・肉割れにはクリームやオイルを塗っても、ほとんど効果が得られないのです。

だからこそ「塗れば治る」は誤解なのです。

実際に効果が認められている妊娠線・肉割れの治療法

「じゃあどうすればいいの？」と感じている方に向けて、実際に効果が認められている治療法を答えます。

主な治療法は、以下の3つです。

トレチノイン（ビタミンA誘導体）※産後のみ：色調改善・幅の縮小に有効
レーザー治療（CO2フラクショナルレーザー）：コラーゲン再生を促し、白い線を改善
ダーマペン：2024年レビューで有効性が確認・コラーゲン合成を促進

つまり「できた妊娠線を目立たなくするには、医療的治療が必要」です。

妊娠線・肉割れクリーム・オイルを使用して期待できる3つのメリット

妊娠線・肉割れクリーム・オイルを使用して期待できる3つのメリットは、主に以下の3つです。

皮膚表面の乾燥を防ぎ柔軟性を保つ
妊娠中のかゆみや不快感を軽減
マッサージと組み合わせることで血流促進に寄与

妊娠線・肉割れクリームやオイルを使用しても、妊娠線・肉割れの改善を期待することは難しいでしょう。しかし、皮膚表面の乾燥予防や柔軟性の保持、かゆみや不快感の軽減などの効果は期待できます。

さらに、マッサージと組み合わせることで、血流促進に寄与し冷えや乾燥、疲労回復などの効果が得られます。そのため、妊娠線・肉割れクリームやオイルは必ずしも無駄になってしまうということはありません。

目的に応じて適切に使用することで、しっかりと効果を実感することが可能です。

つまり「保湿ケア」としての役割は大切です。ただし「予防や改善を保証するものではない」という点は理解が必要ということです。

妊娠線・肉割れの実用的な予防と治療の考え方

先ほど説明した通り、妊娠線・肉割れクリームやオイルを使用することで、皮膚表面の水分量は増加するので、保湿という観点では意味があります。ただ、妊娠線・肉割れの改善効果は期待できません。

では、妊娠中・産後にどのような予防や治療をすれば少しでも改善出来るのでしょうか。

ここでは、妊娠前・妊娠中・産後の三段階ごとに実用的な予防と治療の考え方を解説します。

妊娠前

ステロイドの強さや量、使用部位によりますが、数週間～数ヶ月の使用で肉割れが起きると言われているため、ステロイド外用薬・ステロイド内服薬を長期に使用しないことが大切です。また、使用頻度や回数、期間の長さにより妊娠線も出来やすくなると言われています。

妊娠中（予防段階）

急激な体重増加や皮膚の引き伸ばしが妊娠線・肉割れの原因になるため、急激な体重増加を避けましょう。

可能な限り急激な体重増加は起こさないようにすることが大切です。しかし、過度なダイエットや体重コントロールは赤ちゃんにとって栄養不足となることがあるため、注意が必要です。

そして、糖尿病や肥満になると妊娠線・肉割れが出来やすいホルモンが増加します。そのため、赤ちゃんに良い・そしてお母さんに良い食事バランスを保つことが重要です。

日常生活では、保湿でかゆみ・乾燥を防ぎ、皮膚を柔らかく保つことが大切です。ただ、クリームやオイルは「保湿がメインの役割」と理解し、予防は非常に限定的であると理解するようにしましょう。

産後（治療段階）

皮膚科や美容皮膚科へ相談し、医師の判断のもと適切な治療・改善策を講じることが大切です。

主に、レーザーやダーマペン・ゼロマークなど医療的治療を検討するのがおすすめです。

妊娠線・肉割れクリーム・オイルの効果を理解して適切な治療を行おう！

妊娠線・肉割れに対するクリームや美容液は、予防効果は限定的、治療効果はほぼなしというのが科学的結論です。

これまで信じられていた「塗れば消える」と信じるのは、現時点のクリームやオイルにおいては誤解であり、改善には医療的アプローチが欠かせません。

ここで注目されているのが、少ない回数で効果を実感できる最新治療「ゼロマーク」です。